○小林市公金管理・運用に関する要綱

平成18年3月20日

告示第64号

(趣旨)

第1条 この告示は、小林市公金保全管理委員会設置要綱(平成18年小林市告示第62号)第2条に規定する調査審議する事項の具体的な管理・運用方針について定めるものとする。

(公金の種類)

第2条 この告示において「公金」とは、小林市一般会計及び特別会計に属する歳計現金、歳入歳出外現金、基金に属する現金並びに小林市公営企業会計に属する現金をいい、制度融資に係る預託金を含む。

(公金保全策の基本)

第3条 公金保全策を講じる際には、次に掲げる事項を基本とする。

(1) 金融機関の経営状況の把握

(2) 預金債権と借入金債務との相殺

(3) 債券運用

(金融機関の経営状況の把握)

第4条 前条第1号の金融機関の経営状況の把握は、金融機関の決算資料の内容を分析し、他行との比較により行うものとする。

(預金債権と借入金債務との相殺)

第5条 第3条第2号の預金債権と借入金債務との相殺は、預金先金融機関から借入れを行うことにより発生した借入金債務と預金債権との相殺をすることにより行うものとする。

(債券運用)

第6条 第3条第3号の債券運用は、金融機関への預金に加えて、可能な範囲で債券での運用をすることにより行うものとする。

(運用基準)

第7条 第3条及びその他の公金保全策の具体的な判断基準は、小林市公金管理・運用基準(別記)により行うものとする。

この告示は、平成18年3月20日から施行する。

(平成19年3月1日告示第36号)

この告示は、平成19年4月1日から施行する。

(平成21年11月6日告示第209号)

この告示は、公表の日から施行する。

(令和元年12月25日告示第111号)

この告示は、令和2年4月1日から施行する。

別記(第7条関係)

小林市公金管理・運用基準

1 この基準は、小林市公金管理・運用に関する要綱第7条に基づき、公金保全の具体的な判断について定める。

2 公金の種類は次のとおりとする。

① 歳計現金、歳入歳出外現金

② 基金に属する現金

③ 制度融資に係る預託金

3 全体事項

(1) 金融機関の経営状況の把握

① 情報収集

経営状況の情報収集は、各金融機関が公表する決算資料(ディスクロージャ誌)を基本に行う。

決算資料は、年1回の本決算にとどまらず、中間決算、四半期決算などのできるだけ現状に近いデータを収集する。

企業の経営状況を判断する指標である「格付」「株価」の動向についても注目する。

② 数値の分析

ア 健全性分析

自己資本比率 地方銀行・第2地方銀行・信用金庫・農業協同組合・労働金庫にあっては国内基準(6%)以上を維持していること。

収益性分析 総資産経常利益

流動性分析 預金量等

イ 格付

格付期間による格付が公表されている金融機関にあっては、長期債の格付が投資適格級であること。

ウ 株価

株式上場銀行にあっては、株価が発行額面の4倍以上を維持していること。

(2) 相殺

① 預金債権と借入債務の相殺は、金融機関の預金規定中、「保険事故発生時における預金者からの相殺」に関する規定に基づき実行する。各行の相殺に関する規定を常時把握しておくこと。

② 市債借入れについては、証書借入方式を基本とする。

③ 預金額が借入額を上回る場合は、預金額の減少又は借入額の増加により相殺が可能となるよう関係課において協議する。

④ 相殺の手順は、保険事故発生時における相殺に関する手順書により行う。

4 歳計現金の保全策

(1) 支払準備金 指定金融機関に普通預金又は決済用預金として保管する。

(2) 支払に余裕資金がある場合は、通知預金・大口定期預金等で指定金融機関又は収納代理機関において保管する。

※ 預金債権との相殺が可能となる額を限度とする。ただし、経営状況の分析の結果、安全と判断される金融機関については、この限りでない。

5 基金に属する現金の保全策

(1) 基金の運用管理

基金の効率的管理・運用を図るため次の事項について検討する。

① 基金の一元管理

② 基金の中長期的見直し

③ 基金の繰替運用

(2) 債券での運用を行う場合、基金管理担当課は、市長の決裁後、会計管理者に依頼する。

(3) 預金による保管

預金する金融機関は、金融機関の経営状況の把握及び相殺を考慮し決定する。

(4) 債券による保管

効率性と安全性を考慮する。

6 制度融資に係る預託金の保全策

(1) 市と直接預託関係にある教育資金は普通預金又は決済用預金で保管を行う。

(2) 市が貸し付けた団体等と金融機関とが預託関係にあるものは団体等に対し、貸付金の返還に支障を来さないよう万全の策をとらせる。

保険事故発生時における相殺に関する手順書

相殺を行うためには、民法及び預金規定・借入金約定等に基づいて、預金者側から破綻金融機関に所定の手続をとって、相殺をする旨の意思表示をすることが必要となる。

また、預金債権と地方債債務とを相殺する場合には、歳出予算に相殺額に相当する公債費を計上されていることが必要となる。これらの処理を確実に実行するための手順書を次のように定める。

1 相殺の手続の確認、準備

① 預金規定・借入約定等により相殺の手続を確認する。具体的な手続、相殺届出期間については、その都度破綻金融機関又は管財人に問い合わせを行う。(一般的な相殺届出期限は2週間から4箇月)

② 相殺の準備として歳出予算に公債費を計上しておく。

2 相殺の意思表示

1を確認後、預金保険機構から預金払戻しの書類が届いたら、債権・債務を確認後、相殺する債権の順序方法を決定し、相殺通知書を作成する。

指定した証券証書等に届出印を押印の上、預金通帳、相殺通知書を添えて相殺届出期間中に破綻金融機関へ内容証明郵便で送付するか、店頭で受渡しを行い受領書を受け取る。

詳細については破綻金融機関に確認すること。(一定の事由が生じた場合には、相殺の意思表示することなく相殺の効果が生じる旨の契約をすることも可能)

3 相殺の準備

金融機関に対する相殺の意思表示を行う権限は、市長が有する。

預金と借入金とを相殺するためには、相当額に相当する公債費が必要となるため、既定の予算の範囲を超える場合には必要な予算措置を行う。

必要な予算措置については、地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認められるとき等であれば専決処分することができる。(地方自治法第179条)

4 相殺の実行

条例の定めるところにより、基金に属する現金を歳計現金に繰り替えて運用する。

当該繰り替えられた歳計現金に係る預金債権と地方債(借入金)債務と相殺するために公債費から相殺相当額を支出する。(繰上償還)

基金を繰り戻すために、相当額の財源を手当てし、基金に繰戻しを行う。

基金の処分要件として、地方債の償還の財源に当てるときという旨の定めがある場合には、基金を取り崩したものとして処理することも可能

事前準備

1 各金融機関の預金規定「相殺に関する条項」 確認しておくこと

2 預金債権と地方債の額 常に把握すること

3 債務に充当する債務の順位 あらかじめ決めておくこと

4 緊急時の連絡体制 金融機関と協議しておくこと

5 具体的な手続、期間 関係者に確認しておくこと

相殺時(対破綻金融機関)

6 預金保険機構からの預金払戻しの書類 相殺通知書を作成

7 相殺通知書を破綻金融機関へ 受領書の受取

相殺時(対予算等の内部処理)

8 歳出予算(公債費)の補正措置 補正予算を計上(専決処分の場合)

9 歳入予算(基金繰入額)補正措置の検討

10 債権及び債務を消滅させるための会計処理 財務会計処理の確認

相殺後(対予算等の内部処理)

11 基金の繰替運用の場合は繰戻し 財源の確保

12 歳入予算の補正措置 補正予算額を計上(専決処分の場合)

13 歳出予算(基金積立)の補正措置

小林市公金管理・運用に関する要綱

平成18年3月20日 告示第64号

(令和2年4月1日施行)

体系情報
第6編 務/第1章
沿革情報
平成18年3月20日 告示第64号
平成19年3月1日 告示第36号
平成21年11月6日 告示第209号
令和元年12月25日 告示第111号