○小林市母子健康診査実施要綱
平成18年3月20日
告示第185号
この告示は、妊娠、出産により抵抗力の弱くなっている妊産婦及び身体の発育が不完全な乳幼児を対象に、予防措置として、異常の有無を早期確認し、必要に応じて適切な指導等を内容とする定期的な健康診査を行い、母性及び乳幼児の健康の保持及び増進を図ることを目的とする。
第1 総論的事項
1 実施主体
事業の実施主体は、小林市とする。
2 健康診査の種類
健康診査の種類は、妊産婦健康診査、乳幼児健康診査、1歳6箇月児健康診査及び3歳児健康診査とする。
3 実施対象者の把握及び周知徹底
(1) 実施対象者の把握
① 市長は、住民票等により対象者を把握する。
② 妊婦健康診査については、その対象者の把握を徹底するため、妊娠届の早期提出の励行を図る。
(2) 周知徹底
市長は、各種の広報機能を利用するとともに、母子保健推進員等の積極的な協力を求め、あらかじめ診査の趣旨及び期日又は期間、場所その他必要な事項についての周知徹底に努める。
4 実施体制の確立
(1) 体制の確立
市長は、健康診査の実施に備えて、健康診査を担当する医師、歯科医師その他必要な人員の確保に努めるとともに、健康診査に必要な器具、健康診査票等を整備して業務体制を確立し、事業の円滑な運営を図る。
(2) 関係機関との連携
市長は、健康診査の実施に当たり、保健所、医師会及び歯科医師会等と十分に連携をとり、計画の策定、事業の実施について協力を求めるとともに、健康診査後の診断の確定、事後指導に当たっては、できる限り専門医の技術的援助のもとに健康診査の質の向上が図られるよう、保健所、医師会及びその他関係機関との連携を図るとともに、福祉事務所、児童相談所、教育委員会等関係諸機関との緊密な連絡のもとに、事業の効果的な推進を図る。
(3) 健康診査の実施方法
健康診査は、集団健康診査又は医療機関等に委託して行う個別健康診査により実施する。
ただし、第2の1に規定する医療機関に委託して行う妊産婦健康診査及び乳幼児健康診査については、個別健康診査に限る。
(4) 健康診査の委託
健康診査を医療機関等に委託して行う際には、以下の事項に留意する。
① 医療機関等の選定については、それぞれの地域の関係団体と十分協議し、健康診査を行うのに適切な医療機関を選定されること。
② 健康診査の結果について、速やかに市に報告されるよう、体制の整備を図ること。
③ 健康診査に際しては、その結果に応じ、事後的な経過観察、治療処置等の必要性について、本人又は保護者の理解が十分得られるよう、体制の整備を図ること。
④ 個々人に応じた適切な健康診査が実施されるよう、定期的に医師等の研修を行い、又はこれを行うよう、県又はその設置する保健所に依頼すること。
(5) 母子保健地域組織等の活用、育成強化
母子保健地域組織等民間団体に対して、本事業の趣旨の徹底を図り、地区住民に対する事業の啓発普及、事業の実施に関して積極的な協力を求める。なお、健康診査に引き続き、母子保健推進員等の活動を利用して妊産婦及び乳幼児保健の推進に努める。
5 健康診査の実施
(1) 健康診査の担当者の編成
健康診査は、医師、歯科医師、助産師、保健師、看護師、栄養士及び歯科衛生士等により実施することとし、必要に応じて、専門的知識を有する者を加えるものとする。
(2) 健康診査票等
市長は、各健康診査に関する健康診査票を定めるものとし、医療機関に委託して行う個別健康診査において、あらかじめこれを交付するものとする。
また、集団健康診査においては、保護者に対し、事前に健康診査の問診票を配付し、又は実施会場において担当者が問診することにより、受診者の状況を把握する。
なお、医療機関に委託して行う妊産婦健康診査及び乳幼児健康診査並びに「7 精密健康診査」に規定する精密健康診査については、市長は、健康診査票の交付状況、実施状況を明確にしておくため、受診票交付台帳等を備える。
(3) 健康診査票の記入、保管
健康診査票に医師、歯科医師が健康診査の結果を記入して、市長が保管し、事後の保健指導等に活用する。
(4) 母子健康手帳の活用
健康診査においては、母子健康手帳の内容を参考とし、それまでの発達状況等を確認するとともに、実施した健康診査の結果について同手帳に記入する。
6 事後指導等
(1) 妊産婦健康診査においては受診者に対し、乳幼児健康診査、1歳6箇月児健康診査及び3歳児健康診査においては受診児の保護者に対し、健康診査の結果を口頭にて伝え又は通知するとともに、必要に応じ適切な指導を行う。
(2) 事後指導においては、事後指導票を作成し、事後指導及び措置の内容について記載する。
(3) 健康診査の結果、経過観察、精密健康診査、処置又は医療等が必要とされた者に対しては、適切な事後指導を行う。妊娠高血圧症候群等療養援護、育成医療の給付、療育の給付等医療の給付が適用される場合には、手続等を指導する。
7 精密健康診査
(1) 実施体制
① 精密健康診査が身体面に関する場合は、市は委託医療機関に、また、精神面に関する場合には、委託医療機関又は児童相談所に措置を依頼することになるので、あらかじめこれら医療機関及び児童相談所への協力を得られるよう配慮する。
② 精密健康診査の実施に当たり、医療機関への委託又は児童相談所への依頼、精密健康診査の結果の管理等については、市が行う。
③ 医療機関に委託して実施する個別健康診査においては、健康診査(本制度によらない健康診査を含む。)の結果、精密健康診査を要すると認められた者が、市長に申請するよう指導する。
④ 精密健康診査の委託又は依頼は、その旨を明らかにした票(以下「精密健康診査受診票」という。)を市が対象者又はその保護者に対して交付し、対象者又はその保護者がこの票を委託医療機関、児童相談所に提示して行う。
(2) 市における事務
① 市は、委託医療機関又は児童相談所から送付された精密健康診査受診票に基づき、当該精密健康診査の結果を健康診査票の備考欄又はこれに準ずる欄へ記載するとともに、受診者又はその保護者に結果を通知する。
② 市は、精密健康診査の結果、引き続き指導の必要があると判断した場合は、委託医療機関、児童相談所又は管轄保健所において事後指導を受けるよう指導するものとする。
③ 市は、委託医療機関又は児童相談所から送付された精密健康診査受診票に基づき、当該精密健康診査の結果、保健所における事後指導が必要と認められた場合には、健康診査結果の内容を保健所及びかかりつけの医師に報告するものとする。
④ 市は、精密健康診査の未受診者に対し、母子保健推進員等の協力を得る等により、本人又は保護者に対して、これを受診するよう勧奨する。
(3) 事後指導
市は、精密健康診査の結果に基づき、必要に応じて、それぞれの診療科を標ぼうしている医師等と緊密な連携を図り、対象者又はその保護者に対して適切な措置を講ずるよう指導するとともに、保健師等による家庭訪問を行う等事後指導の徹底を図るものとする。なお、対象者が医療機関において受診中である場合には、かかりつけの医師と十分連絡をとるものとする。
8 7以外に行う精密健康診査
(1) 対象
1歳6箇月児健康診査及び3歳児健康診査の結果、精神発達面の精密健康診査を必要とされた児を対象とする。
(2) 実施内容
市の施設等において、心理検査及び行動観察等を行い、それらの結果を総合的に判断し、個々の状況に応じた診査及び相談を実施する。
(3) 精密健康診査の担当者の編成
主として小児科医、心理判定員、保健師が従事し、必要に応じ、専門的知識を有する者を加えるものとする。
(4) 事後指導
精密健康診査の結果に基づき、特に専門的な事後指導が必要とされる児に対しては、専門医、療育専門機関等と緊密な連携を図り、対象者の保護者に対し適切な指導を講ずるよう指導するとともに、保健師等による家庭訪問を行う等、事後指導の徹底を図る。
なお、事後指導の実施に当たっては、関係機関等との連携のもとに計画を策定するものとする。
(5) 未受診者への対応
精密健康診査が未受診である者については、保健師等が精密健康診査の受診を勧奨する等適切な対応を図る。
9 診査費の請求及び支払
(1) 委託医療機関は、健康診査に要する費用を、健康診査受診票又は精密健康診査受診票により市に請求するものとする。
(2) 個別健康診査に要した費用について、委託医療機関が市長に対して請求できる額は別に定めるところによる。
(3) 精密健康診査が医療保険等の給付として行われた場合において、委託医療機関が市長に対して請求できる額は、健康保険法(大正11年法律第70号。次号において「法」という。)第76条第2項の規定により厚生労働大臣が定めた算定方法によって算定した額から、保険者が負担すべき額を控除した額とする。
(4) 精密健康診査が保険医療機関又は療養取扱医療機関以外のものによって行われた場合、その他医療保険等の給付としてではなく行われた場合において、委託医療機関が市に請求できる額は、法第76条第2項の規定により厚生労働大臣が定めた算定方法によって算定した額とする。
(5) 市は、委託医療機関から請求書を受理したときは、その内容を審査確認の上、精密健康診査に要した費用を支払うものとする。
第2 各論的事項
1 妊産婦及び乳幼児健康診査
母子保健法(昭和40年法律第141号)第13条の規定による健康診査を次のとおり実施する。
(1) 医療機関に委託して行う妊産婦健康診査及び乳児健康診査
① 目的
妊産婦及び乳児の健康診査の一層の徹底を図り、保健管理の向上に資することを目的とする。
② 健康診査の種類
健康診査の種類は、妊婦一般健康診査、多胎妊娠の妊婦健康診査、産婦健康診査、新生児聴覚検査、乳児一般健康診査及び乳児精密健康診査とする。
③ 実施対象者
実施対象者は、市内に住所を有する妊産婦及び乳児とする。
④ 回数
ア 妊婦一般健康診査、多胎妊娠の妊婦健康診査及び乳児一般健康診査については、1人につき、それぞれ予算の定めるところにより実施する。
イ 産婦健康診査については、1人につき2回とし、新生児聴覚検査及び乳児精密健康診査については、1人につきそれぞれ2回以内とする。
⑤ 項目
ア 妊婦一般健康診査及び多胎妊娠の妊婦健康診査
妊婦一般健康診査及び多胎妊娠の妊婦健康診査は、妊娠初期から後期にかけて偏りなく受診するよう指導するものとし、その内容は次のとおりとする。
a 問診及び診察
b エコー(超音波)検査
c 尿一般検査
d aからcまでに掲げるもののほか、市長が別に定める検査
イ 産婦健康診査
産婦健康診査(母体の身体的機能の回復、授乳状況、精神状態の把握等)は、産後うつの予防や新生児への虐待予防等を図る観点から、産後2週間、産後1箇月等の出産後間もない時期に受診するよう指導するものとし、その内容は次のとおりとする。
なお、産婦健康診査の結果、支援が必要とされる者に対しては、産後ケア事業を実施するものとする。
a 健康状態・育児環境の把握
b 尿一般検査
c 産後うつスクリーニング
ウ 新生児聴覚検査
新生児聴覚検査は、聴覚の異常の発見に適した生後1箇月以内に受診するよう指導するものとし、その内容は自動聴性脳幹反応検査(AABR)又は耳音響放射検査(OAE)とする。
エ 乳児一般健康診査
乳児一般健康診査は、身体の異常の発見(股関節脱臼、心臓の異常等)、悪性腫瘍の発見、離乳食指導、生活指導及び予防接種の指導等に適した生後3~7箇月、心身の異常の発見(行動発達、精神発達の異常等)、離乳食指導、育児・生活指導等に適した生後9~11箇月に受診するよう指導するものとし、その内容は次のとおりとする。
a 問診及び診察
b 身体計測
c a及びbに掲げるもののほか、市長が別に定める検査
オ 乳児精密健康診査
乳児精密健康診査は、乳児一般健康診査の結果、疾病及び心身の発達に異常の疑いがある乳児に対し、その必要に応じて行う検査とする。
(2) (1)以外に行う妊産婦及び乳幼児健康診査
① 目的
妊娠、出産により適応力の弱くなっている妊産婦及び身体の発達途上にある乳幼児に対し、市の施設等において集団健康診査を行い、異常の有無を早期に確認し、適切な指導を行う。
② 種類
健康診査の種類は、一般健康診査とする。
③ 対象者
実施対象者は、妊産婦及び乳幼児とする。
④ 健康診査項目の決定
(1)以外に行う妊産婦及び乳幼児健康診査は、市における妊産婦、乳幼児の健康状態、妊娠高血圧症候群その他各種疾病の発生状況を各案し、実施の有無及び実施する際においてはその実施時期、健康診査項目を決定する。
(3) その他留意事項
(1)又は(2)により実施する乳児を対象とする健康診査については、生後3箇月以上の乳児が、そのいずれかの健康診査に含まれることとなるよう、対象月齢を設定する。
2 1歳6箇月児健康診査
(1) 目的
幼児初期の身体発育、精神発達の面で歩行や言語等発達の標識が容易に得られる1歳6箇月児のすべてに対して健康診査を実施することにより、運動機能、視聴覚等の障害、精神発達の遅滞等障害をもった児童を早期に発見し、適切な指導を行い、心身障害の進行を未然に防止するとともに、生活習慣の自立、むし歯の予防、幼児の栄養及び育児に関する指導を行い、もって幼児の健康の保持増進を図ることを目的とする。
(2) 健康診査の種類
健康診査の種類は、一般健康診査、歯科健康診査及び精密健康診査とする。
(3) 実施対象者
① 一般健康診査及び歯科健康診査の対象者は、満1歳6箇月を超え、満2歳に達しない幼児とする。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響により、当該対象者が対象月齢の間に一般健康診査及び歯科健康診査を受診できなかった場合は、この限りでない。
② 精密健康診査の対象は、一般健康診査の結果、心身の発達異常、疾病等の疑いがあり、より精密に健康診査を行う必要があると認められる者であって、次のいずれかに該当する者とする。
ア 身体面については、それぞれの診療科を標ぼうしている医師に委託することが妥当なもの
イ 精神発達面については、医療機関又は児童相談所に依頼することが適当なもの
(4) 項目等
① 一般健康診査の項目は次のとおりとする。
ア 身体発育状況
イ 栄養状況
ウ 脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無
エ 皮膚の疾病の有無
オ 四肢運動障害の有無
カ 精神発達の状況
キ 言語障害の有無
ク 予防接種の実施状況
ケ その他の疾病及び異常の有無
コ その他育児上問題となる事項(生活習慣の自立、社会性の発達、しつけ、食事、事故等)
② 歯科健康診査は、歯の疾病及び口腔内の異常の有無について行うものとする。
③ 精密健康診査については、第1の7精密健康診査に定めるところによるものとする。
(5) 留意事項
健康診査に際して行われる指導においては、家族の育児面での情緒を養い、児童に対する虐待防止等が図られるよう、十分留意した指導を行うものとする。
3 3歳児健康診査
(1) 目的
乳児期において幼児の健康・発達の個人的差異が比較的明らかになり、保健、医療による対応の有無が、その後の成長に影響を及ぼす3歳児のすべてに対して健康診査を行い、視覚、聴覚、運動、発達等の心身障害、その他疾病及び異常を早期に発見し、適切な指導を行い、心身障害の進行を未然に防止するとともに、う蝕の予防、発育、栄養、生活習慣、その他育児に関する指導を行い、もって幼児の健康の保持及び増進を図ることを目的とする。
(2) 健康診査の種類
健康診査の種類は、一般健康診査、歯科健康診査及び精密健康診査とする。
(3) 実施対象者
① 一般健康診査及び歯科健康診査の対象者は、満3歳を越え、満4歳に達しない幼児とする。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響により、当該対象者が対象月齢の間に一般健康診査及び歯科健康診査を受診できなかった場合は、この限りでない。
② 精密健康診査の対象者は、一般健康診査の結果、心身の発達異常、疾病等の疑いがあり、より精密に健康診査を行う必要があると認められる者であって、次のいずれかに該当するものとする。
ア 身体面については、それぞれの診療科を標ぼうしている医師に委託することが妥当なもの
イ 精神発達面については、医療機関又は児童相談所に依頼することが適当なもの
(4) 項目等
① 一般健康診査の項目は次のとおりとする。
ア 身体発育状況
イ 栄養状況
ウ 脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無
エ 皮膚の疾病の有無
オ 目の疾病及び異常の有無
カ 耳、鼻及び咽頭の疾病及び異常の有無
キ 四肢運動障害の有無
ク 精神発達の状況
ケ 言語障害の有無
コ 予防接種の実施状況
サ その他の疾病及び異常の有無
シ その他育児上問題となる事項(生活習慣の自立、社会性の発達、しつけ、食事、事故等)
② 歯科健康診査は、歯の疾病及び口腔内の異常の有無について行うものとする。
③ 精密健康診査については、第1の7精密健康診査に定めるところによるものとする。
(5) 留意事項
健康診査に際して行われる指導においては、家族の育児面での情緒を養い、児童に対する虐待防止等が図られるよう、十分留意した指導を行うものとする。
附則
この告示は、平成18年3月20日から施行する。
附則(平成18年4月11日告示第285号)
この告示は、公表の日から施行し、平成18年4月1日から適用する。
附則(平成20年3月31日告示第68号)
この告示は、平成20年4月1日から施行する。
附則(平成31年3月30日告示第54号)
この告示は、平成31年4月1日から施行する。
附則(令和2年1月10日告示第3号)
この告示は、令和2年4月1日から施行する。
附則(令和2年3月24日告示第34号)
この告示は、公表の日から施行する。
附則(令和2年6月26日告示第129号)
この告示は、公表の日から施行し、この告示による改正後の小林市母子健康診査実施要綱の規定は、令和2年4月1日から適用する。
附則(令和2年11月6日告示第204号)
この告示は、公表の日から施行する。
附則(令和6年2月29日告示第31号)
この告示は、令和6年4月1日から施行する。