○小林市議会議員政治倫理条例

平成25年3月29日

条例第18号

小林市議会が目指している市民に真に開かれた議会運営は、議員に対する市民の揺るぎない信頼があって初めて実現できるものである。

そのためには、議員は市民の代表としての高い倫理観と深い見識により、市議会自らが定めた政治倫理基準に基づき、誇りと自信をもって市政の一翼を担っていくことが必要である。

ここに、議員と市民との信頼関係を築く基盤として、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、小林市議会議員(以下「議員」という。)が、市政に関し市民の厳粛な信託に応える代表であることを自覚し、議員の政治倫理に関する規律の基本となる事項を定めることにより、議員の政治倫理の確立を図り、もって市民に信頼される公正で真に開かれた民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。

(政治倫理基準)

第2条 議員は、政治資金規正法(昭和23年法律第194号)、公職選挙法(昭和25年法律第100号)、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第130号)等の公職にある者に対して適用される法律その他の関係法令ほか、次の各号に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。

(1) 市民全体の代表者として、その品位及び名誉を損なうような行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑を持たれるおそれのある一切の行為をしないこと。

(2) 市民全体の代表者として、常に人格と倫理の向上に努め、その地位を利用していかなる金品も授受しないこと。

(3) 政治活動に関して、法人その他の団体から、政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄附を受けないものとし、議員の後援団体についても同様に取り扱わせるよう措置すること。

(4) 市及び市が構成団体となっている特別地方公共団体の職員(地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職に属する職員をいう。以下「市等の職員」という。)の公正な職務の執行を妨げ、その権限及び地位による影響力を不正に行使するよう働きかけないこと。

(5) 市等の職員の採用、昇任又は人事異動に関して、不当に関与しないこと。

(議員の責務)

第3条 議員は、市民全体の代表者として、法令等を遵守し、市政に関わる自らの役割及び責務を自覚するとともに自ら研さんを積み、前条に規定する政治倫理基準を遵守し、責任をもって政治活動を行わなければならない。

2 議員は、公正な職務執行を妨げるいかなる不当な要求にも屈してはならない。

3 議員は、政治倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれたときは、自ら潔い態度をもって疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにしなければならない。

(市民の役割)

第4条 市民は、議員の政治活動に対し関心を持つよう努めるものとする。

2 市民は、議員に対し、第2条に規定する政治倫理基準に反するような働きかけを行ってはならない。

(就業等の報告義務)

第5条 議員は、自ら事業を営んでいる場合又は次の各号のいずれかに該当する法人その他の団体(出資のみ行っている団体を除く。以下「法人等」という。)の無限責任社員、取締役、執行役若しくは監査役若しくはこれらに準ずべき者、支配人及び清算人に就いている場合は、速やかに議長に報告しなければならない。事業を休止したとき又は職を辞したときも同様とする。

(1) 収益事業を営む法人等

(2) 市の許認可が必要な事業を営む法人等

(3) 市から補助金等を受け、又は受けようとする法人等

(議員の依頼等に対する記録)

第6条 議長は、議員が行う市等の職員に対する口頭による要請に対して、日時、要請内容、対応等を記録した文書の作成及びその文書による報告を当該市等の職員の任命権者(地方公務員法第6条に規定する任命権者をいう。)に求めるものとする。

(審査の請求)

第7条 市民又は議員は、議員が政治倫理基準に違反する行為をした疑いがあるときは、これを証する資料を添えて、市民にあっては地方自治法(昭和22年法律第67号)第74条第5項に規定する選挙権を有する者の総数の100分の1以上の者の連署、議員にあっては議員定数の8分の1以上の者の連署をもって、議長に対し政治倫理基準に違反する行為の存否の審査(以下「審査」という。)を請求することができる。

(政治倫理審査会の設置等)

第8条 議長は、前条の規定による審査の請求(以下「審査請求」という。)があったときは、小林市議会政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置し、当該審査を付託しなければならない。

2 審査会の委員(以下「委員」という。)は、8人以内とし、議員の中から、議長が任命する。

3 委員の任期は、付託された審査の結果を議長に報告した日までとする。

4 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

5 委員である議員は、自らが審査の対象となったときは、委員を解職されるものとする。

(審査会の職務及び権限)

第9条 審査会は、付託された審査を行うため、当該審査の対象となっている議員(以下「対象議員」という。)及び関係者に対し、資料請求、事情聴取等必要な調査を行うことができる。

2 審査会は、対象議員に弁明の機会を与えなければならない。

3 審査会は、対象議員又は関係者が第1項の規定による調査に協力せず、又は虚偽の内容を報告したときは、その旨を議長に報告しなければならない。この場合において、議長は、その旨を公表する等必要な措置を講ずるものとする。

4 審査会は、公開するものとする。ただし、出席委員の3分の2以上の者の合意により非公開とすることができる。

(議長及び議員の協力義務)

第10条 議長は、審査会の要求があるときは、審査に必要な資料を提出しなければならない。

2 議員は、審査会の要求があるときは、審査に必要な資料を提出し、又は審査会に出席して意見を述べなければならない。

(審査結果の報告)

第11条 審査会は、議長が審査請求を受けた日から起算して原則として90日以内に、付託された審査を終え、議長に対してその審査結果を文書で報告しなければならない。

2 議長は、前項の報告を受けた日から起算して7日以内に、当該報告に係る文書の写しを審査請求した者の代表者及び対象議員に送付するとともに、当該報告の概要を市民に公表しなければならない。

3 対象議員は、前項の文書を受け取った日から起算して14日以内に限り、弁明書を議長に提出することができる。

(審査結果の措置)

第12条 議長は、審査会から報告を受けた事項を尊重し、政治倫理基準に違反したと認められる対象議員に対して、議会の名誉及び品位を守り、市民の信頼を回復するため、議会運営委員会に諮り次の各号に掲げる措置を講ずるものとする。

(1) 議員の辞職勧告を行うこと。

(2) 条例の規定を遵守させるため警告を発すること。

(3) その他議長が必要と認めること。

2 議長は、前項による措置が講じられた時は、その内容を市民に公表しなければならない。

(留意事項)

第13条 この条例の運用に際しては、正当な政治活動を抑圧することのないよう留意しなければならない。

(委任)

第14条 この条例の施行に関し必要な事項は、議長が別に定める。

この条例は、平成25年4月1日から施行する。

小林市議会議員政治倫理条例

平成25年3月29日 条例第18号

(平成25年4月1日施行)