○小林市水資源保全条例

平成23年7月1日

条例第19号

目次

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 保全地域の指定(第8条)

第3章 地下水採取の規制(第9条―第18条)

第4章 小林市水資源保全審議会(第19条―第25条)

第5章 雑則(第26条―第33条)

第6章 罰則(第34条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、本市における水資源が、市民共通の貴重な財産であり、市民の福祉の増進に沿うように利用されるべき資源であるとの観点から、市、市民、事業者等が協働してその保全に努めることにより、限りある水資源の保全を図り、もって市民の福祉の増進に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第2条 本市は、名水百選に選ばれた「出の山湧水」をはじめとする優良な水資源を有しており、これら水資源は、上水道、農業用水等として利用されるとともに、市民に潤いと安らぎを与えるものとして古くから守り親しまれている。このように水資源が市民生活にとって欠くことのできない市民共通の貴重な財産であることにかんがみ、市民の健康的で快適な生活環境の確保はもとより、広く市民の福祉の増進が発揮できるよう市、市民、事業者等が協働してその有効な利用に努め、かつ、未来にわたり保全していかなければならない。

(定義)

第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 水資源 本市に存在する事業用又は生活の用の資源となる湧水、地下水等をいう。

(2) 地下水 水資源のうち、井戸により採取する水(温泉法(昭和23年法律第125号)第2条第1項に規定する温泉、鉱業法(昭和25年法律第289号)第3条第1項に規定する可燃性天然ガスを溶存する地下水並びに河川法(昭和39年法律第167号)第3条第1項及び第100条第1項に規定する河川の流水であることが明らかなものを除く。)をいう。

(3) 井戸 掘削し、又は動力を用いて地下水を採取する施設をいう。

(4) 市民 本市に住所を有する者をいう。

(5) 市民等 市民及び市内に滞在する者並びに市内に所在する土地、建物、事業所等の所有者及び管理者をいう。

(6) 事業者 市内において、営利等を目的として事業を行う個人、法人又は団体をいう。

(7) 採取者 市内において地下水の採取を行うものをいう。

(市の責務)

第4条 市は、水資源の適正な保全に資するため、総合的な施策を講じなければならない。

(市民等の責務)

第5条 市民等は、水資源が貴重なものであることを認識し、節水、緑地の保全等により自ら水資源の保全に努めるとともに、市が行う水資源の保全に係る施策に協力しなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、水資源が貴重なものであることを認識し、事業活動に際しては、水資源の保全のために必要な措置を講ずるとともに、市が行う水資源の保全に係る施策に協力しなければならない。

(採取者の責務)

第7条 採取者は、地下水採取量の縮減に努めるとともに、地下水のかん養等自ら水資源の保全のために必要な措置を講ずるとともに、市が行う水資源の保全に係る施策に協力しなければならない。

第2章 保全地域の指定

第8条 市長は、水資源の保全に資するため、保全地域を指定するものとする。

2 保全地域は、市内全域とする。

第3章 地下水採取の規制

(許可の申請)

第9条 地下水を採取しようとするもののうち、次の各号のいずれかの要件に該当する井戸(以下「規制対象井戸」という。)を設置し、地下水を採取しようとするものは、あらかじめ市長に申請し、許可を受けなければならない。

(1) 吐出口の断面積(同一敷地内において吐出口が2以上あるときは、その断面積の合計)が6平方センチメートル以上の揚水機を設置する井戸

(2) 定格出力(同一敷地内において揚水機が2以上あるときは、その定格出力の合計)が0.4キロワットを超える揚水機を設置する井戸

2 前項の規定は、国の機関又は地方公共団体が災害復旧のために緊急を要する措置として行う場合には適用しない。

(許可の決定)

第10条 市長は、前条第1項の許可の申請を受理したときは、次条第2項第1号及び第2号に規定するものを除き、その許可の適否について小林市水資源保全審議会に諮問しなければならない。

2 市長は、前項の許可の申請を受理した日から起算して60日以内に許可又は不許可を決定し、その旨を当該申請者に通知するものとする。

3 市長は、前項の許可の決定に際し、必要な条件を付することができる。

(許可の要件)

第11条 市長は、第9条第1項の許可の申請があった場合においては、当該申請内容が、次の各号のいずれにも該当するときでなければ許可をしてはならない。

(1) 井戸の位置、規模等が次に掲げる要件を満たしていること。

 井戸と井戸又は水源地との間隔が200メートル以上あること。

 井戸の一日当たりの揚水量(同一事業者が井戸を2以上所有しているときは、その揚水量の合計)が300立方メートル未満であること。ただし、農業用水として季節的に使用する井戸にあっては、この限りでない。

 国、県及び市が定める土地利用計画等に反しないこと。

 井戸の規模に応じた処理能力を有する排水設備が設けられていること。

 量水器が設置されていること。

(2) 小林市水道事業、下水道事業及び農業集落排水事業の設置等に関する条例(平成18年小林市条例第202号)第2条第2項第1号に規定する給水区域への給水及び他の地下水の利用に支障がないと認められること。

(3) 地下水を申請の用途に供することが必要かつ適当と認められること。

(4) 用途上、他の水源をもってその地下水に替えることが困難であると認められること。

2 市長は、前項の規定にかかわらず、次に掲げる用途に供する場合は、その許可をすることができる。

(1) 水道事業

(2) 農業用水

(3) 広く市民の福祉の増進が期待できる場合であって、市長が特に必要と認めたもの

3 市長は、本条の許可要件を変更し、又は廃止しようとするときは、小林市水資源保全審議会に諮問しなければならない。

(設置の届出)

第12条 第9条第1項に規定する規制対象井戸に該当しない井戸(以下「非規制対象井戸」という。)を設置し、地下水を採取しようとするものは、あらかじめ市長に届出をし、認可を受けなければならない。

2 市長は、水資源の保全上必要があると認めるときは、前項の認可を行わないことができる。

3 市長は、第1項の認可の届出を受理した日から起算して30日以内に認可又は不認可を決定し、その旨を当該届出者に通知するものとする。

(完成の届出)

第13条 第10条第2項の規定による許可を受けたもの(以下「許可採取者」という。)又は前条第3項の規定による認可を受けたもの(以下「認可採取者」という。)は、井戸が完成したときは、その完成した日から起算して15日以内に市長に届出をし、その検査を受けなければならない。

(変更の許可等)

第14条 許可採取者又は認可採取者(以下「許可採取者等」という。)が、当該井戸に係る許可又は認可(以下「許可等」という。)を受けた内容を変更しようとするときは、市長に届出をし、許可採取者にあっては許可を、認可採取者にあっては認可を受けなければならない。

2 第10条第12条及び第13条の規定は、前項の変更の許可等について準用する。

(氏名等の変更の届出)

第15条 許可採取者等は、許可等を受けたものの氏名、名称、住所及び所在地のいずれかに変更があったときは、その変更があった日から起算して30日以内に市長に届出をしなければならない。

(承継)

第16条 許可採取者等から許可等を受けた井戸(以下「許可井戸等」という。)を譲り受け、相続(法人における合併又は分割を含む。)し、又は借り受けたものは、当該井戸に係る許可採取者等の地位を承継する。

2 前項の規定により採取者の地位を承継したものは、当該承継のあった日から起算して30日以内に市長に届出をしなければならない。

(許可の失効等)

第17条 許可採取者等が、許可井戸等を廃止したときは、当該井戸に係る許可等は、その効力を失う。

2 許可採取者等は、許可井戸等を廃止したときは、その廃止した日から起算して30日以内に市長に届出をするとともに、当該井戸に必要な処置を講じなければならない。

(取消し等)

第18条 市長は、許可採取者等が、この条例若しくはこの条例に基づく規則に違反したとき、又は偽りその他不正な手段により許可等を受けたときは、当該許可等を取り消し、地下水の採取を停止することができる。

2 市長は、この条例若しくはこの条例に基づく規則に違反し地下水の採取に着手し、又は着手しようとするものに対して、期限を定めて当該工事若しくは地下水の採取を停止させ、井戸を改善させ、又は地下水の採取量を減少させるなど当該違反行為の是正のために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

第4章 小林市水資源保全審議会

(設置)

第19条 本市における水資源の適正な保全を図るため、小林市水資源保全審議会(以下「審議会」という。)を設置する。

(審議事項)

第20条 審議会は、市長の諮問に応じ次に掲げる事項について審議する。

(1) 本市が定める水資源保全に係る施策に関すること。

(2) 第10条第1項の規定による許可の適否に関すること。

(3) 第11条第3項の規定による許可要件の変更又は廃止に関すること。

(4) その他市長が水資源の保全上必要と認める事項に関すること。

(組織)

第21条 審議会は、委員15人以内で組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱し、又は任命する。

(1) 知識経験を有する者

(2) 関係機関の代表

(3) 関係行政機関の職員

(4) その他市長が必要と認める者

(委員の任期)

第22条 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。

2 委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(会長及び副会長)

第23条 審議会に会長及び副会長1人を置き、委員の互選によりこれを定める。

2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(会議)

第24条 審議会の会議(以下「会議」という。)は、市長の諮問に応じ会長が招集する。

2 会議は、会長が議長となる。

3 審議会は、委員の半数以上が出席しなければ、会議を開くことができない。

4 議事は、出席した委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(答申)

第25条 会長は、審議の結果を市長に答申しなければならない。

第5章 雑則

(報告の徴収)

第26条 市長は、水資源の保全上必要があると認めるときは、許可採取者等(許可等を受けずに地下水の採取を行うものを含む。以下この章において同じ。)に対し、規則で定める事項について報告させることができる。

(立入調査)

第27条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に許可採取者等の井戸の設置場所又は当該採取者の事業所若しくは事務所に立ち入り、必要な調査をさせることができる。

2 前項の規定により調査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者から請求を受けたときは、これを提示しなければならない。

(指導等)

第28条 市長は、地下水を採取することにより付近の水の減少、枯渇、汚染又は地盤沈下への影響があると認められるときは、許可採取者等に対し指導し、若しくは助言し、又は期限を定めて必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

(措置命令)

第29条 市長は、前条の規定による勧告を受けたものが、当該勧告に係る措置をとらなかったときは、そのものに対し、期限を定めて当該措置をとるべきことを命ずることができる。

(緊急時の措置命令)

第30条 市長は、地下水を採取することにより付近の水の減少、枯渇、汚染又は地盤沈下の現象が生じたときは、期限及び区域を定め、その区域内における許可採取者等の全部又は一部に対し、地下水の採取量の制限その他必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(措置の届出)

第31条 第28条の規定による勧告又は第29条若しくは前条の規定による命令を受けたものが、当該勧告又は命令に係る措置をとったときは、その措置をとった日から起算して7日以内に市長に届出をし、その検査を受けなければならない。

(氏名等の公表)

第32条 市長は、第18条の規定による取消し等の処分に該当するものがあるとき、及び第28条から第30条までの規定による勧告又は命令を受けたものが、正当な理由なくして当該勧告又は命令に従わないときは、市民等への情報提供に資するため、その氏名等を公表することができる。

2 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめそのものに対し、その理由を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。

(委任)

第33条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

第6章 罰則

第34条 第18条第2項第29条及び第30条の規定による命令に違反したものは、5万円以下の過料に処する。

2 次の各号のいずれかに該当するものは、3万円以下の過料に処する。

(1) 第9条第1項の規定による許可を受けないで井戸を掘削したもの

(2) 第14条第1項の規定による許可を受けないで井戸を変更したもの

(3) 正当な理由なく、第27条第1項の規定による立入調査を拒み、妨げ若しくは忌避したもの

(施行期日)

1 この条例は、平成23年10月1日から施行する。ただし、次項の規定は、公布の日から施行する。

(準備行為)

2 第21条第2項の規定による委員の委嘱又は任命に関し必要な手続きその他の行為は、この条例の施行前においても行うことができる。

(経過措置)

3 この条例の公布の際現に第9条第1項に規定する規制対象井戸又は第12条第1項に規定する非規制対象井戸を設置し、若しくはその設置に着手していたものは、この条例の施行の日から起算して3月を経過する日(そのものがその日以前に次項の規定による申請又は届出をした場合にあっては、その申請又は届出をした日)までの間は、次項の規定による申請又は届出をせず、引き続き当該井戸により地下水の採取をすることができる。

4 この条例の公布の際現に第9条第1項に規定する規制対象井戸又は第12条第1項に規定する非規制対象井戸を設置し、若しくはその設置に着手していたものは、この条例の施行の日から起算して3月以内に、市長に申請又は届出をしなければならない。

5 前項の規定により申請又は届出をしたものは、第10条第2項の規定による許可又は第12条第3項の規定による認可を受けたものとみなす。

(小林市非常勤特別職の職員の報酬及び費用弁償条例の一部改正)

6 小林市非常勤特別職の職員の報酬及び費用弁償条例(平成18年小林市条例第52号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(令和元年12月25日条例第29号)

(施行期日)

1 この条例は、令和2年4月1日から施行する。

(令和5年12月21日条例第36号)

(施行期日)

1 この条例は、令和6年4月1日から施行する。

小林市水資源保全条例

平成23年7月1日 条例第19号

(令和6年4月1日施行)

体系情報
第8編 生/第4章 環境保全/第1節
沿革情報
平成23年7月1日 条例第19号
令和元年12月25日 条例第29号
令和5年12月21日 条例第36号